お詫びと訂正:SONYのSNAPについて
SNAPは最近発表されたものではありませんでした。
まだ不明点も多いのですが、現在分かっていることについて記載します。
私は11/25にOSNewsの「Sony's SNAP Uses GNUstep」という記事でSNAPのことを知りました。このとき、プロジェクトのトップページからSDKのダウンロードページへのリンクがなく、直接ダウンロードページに行ってもSDKがダウンロードできませんでしたが、「Please stay tuned for more details.(詳細はそのままお待ちください)」と書かれていたため、単にファイルの準備ができていないだけと思い込み、「SNAP development is currently on hold(SNAPの開発は現在保留中です)」という記載をスルーしてしまいました。
その後、SDKがダウンロードできることが判明したため、早速インストールして試していましたが、ダウンロードページを見て、SDK 1.0が3月、1.1が4月、最新の1.2が9月にアップロードされていることに気付きました。
このころ、「SONYがSNAPを公開し、すぐに取り下げた」といった内容の記事がAppleInsiderなどに掲載されましたが、私は「SNAPが公開(および保留)されたのはもっと前ではないか」と疑問に思いました。
検索したところ、11/19にgnu.gnustep.discussで話題が上がっており、そこからリンクされたSHOCMによると4月ごろにはすでにSNAPのサイトが存在していたようです。
しかし、当時はニュースサイトに取り上げられたりコミュニティで話題になることもなかったようです。また、削除されたのか元々出ていないのか、SONYの公式な発表(プレスリリースなど)は見つかりませんでした。
また、SONYはGNUstepのコミュニティにコンタクトを取っておらず、GNUstepプロジェクトのチーフメンテナである Greg氏も11/21までSNAPの存在を知らなかったようです。
SNAPプロジェクトがいつごろ保留となったのかは分かりません。ただ、SONYは5月にAndroid搭載のSony Internet TVの開発を発表しています。SHOCMに掲載されている4月当時と現在のSONY Developer Networkを見比べると、「SNAP」だった部分が「Android」に置き換わっており、Sony Internet TVの発表と無関係とは思えません。
SONYはGNUstepにタッチインターフェースを追加(DELICIOUS ROBOTS BLOG)するなど、本気でGNUstepの採用を考えていたように思えます。現場は乗り気でも上の政治的判断でプロジェクトが中止されるのはどの業界でもよくある話ですが。
また、11月に何か動きがあったわけではないようなので、なぜ今ごろ話題になったのかはよく分かりませんでした。
GNUstepコミュニティの誰かがたまたまサイトを見つけて、コミュニティ内から話題が広まっただけなのかもしれません。
いずれにせよ、SNAPは新しいプロジェクトでもアクティブなプロジェクトでもありませんでした。
誤解を広めてしまったことを深くお詫びいたします。
なお、現段階でSNAPプロジェクトのステータスはあくまでも「保留」であり、「キャンセル」ではありませんので、望みは薄いかもしれませんが、今後何らかの動きがあれば、またお知らせしたいと思います。
【追記】
SDKダウンロード時にアカウント登録したアドレスに12/3付けでプロジェクトが保留されたという連絡がありました。
上記のように私はプロジェクトが事実上保留となったのはもっと前(SDKの最後の更新が9月のため)だと予想しているのですが、最近の報道で登録者が増えたため、このような連絡をしたのではないかと思います。
なお、プロジェクトが再開したらまた連絡するとのことです。
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