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2010年3月 7日 (日)

Mac OS X(クライアント版)の仮想化について

oxon氏より「Leopard仮想化とライセンスに関する雑文」にトラックバック頂いた。少々古い記事なのでこの機会に少し補足しておきたいと思う。
(私自身もアップルに数回問い合わせたことがあるが、まともな回答は返ってこないので現状では聞くだけ無駄だと判断している)

まず、私自身も「Mac OS Xの仮想化は禁止されていない」と解釈している。前回の記事でも書いたように以下のケースが禁止される理由は見つからない。

(f) Macで、ホストOSはMac OS X Server、ゲストOSはMac OS X
(g) Boot Campで起動したWindowsがホストOS、ゲストOSはMac OS Xまたは同Server

同様に、(g)でホストがLinuxの場合(Mac OS X on QEMU/KVM(成功)参照)もライセンス上の問題は無いと考える。ホストOSを持たないベアメタル型の仮想化ソフトのゲストとして動かすことも問題ないだろう。

話がややこしくなるのは「(d) Macで、ホストOSもゲストOSもMac OS X」のケースである。前回の記事ではSnow Leopardは未リリース、Intel MacにインストールできるTigerは単体販売なしという状況だったため、バージョンの相違について言及していなかったのだが、今回あらためて解釈を考えてみる。

「(同一のOSを)1台のMacに複数インストールできるのはServer版のみ」であることから「ホストもゲストも同一バージョンのMac OS X」は許可されないと解釈できる。

解釈が難しいのは「ホストとゲストがバージョンの異なるMac OS X」の場合である。この問題を考えるには、まず「パッケージ版のMac OS Xはアップグレードなのか新規ライセンスなのか」を考える必要があるだろう。

Apple Storeで3,300円で販売されているSnow Leopardは「Leopardユーザ向けのアップグレード」と明記されており、使用許諾契約書(PDF直)の「2.許諾された使用方法およびその制限」にも「お客様がMac OS X Leopardアップグレードライセンスをご購入された場合、本契約の契約条件に従って、Appleのブラ ンドが付されたコンピュータに適切に許諾されたMac OS X Leopardが、既に1部インストールされている限りにおいて」との記載がある。

つまり、LeopardユーザーがSnow Leopard(3,300円)を購入した場合、所有するライセンス数はあくまでも一本であるため、「Snow Leopard on Leopard」および「Leopard on Snow Leopard」は不可であろう。では、Mac Box Set(18,800円)はどうだろうか?

PsystarのMac互換機(非公認)やOSx86に関する議論では以下のような主張が見られることがある。もともとMac OS XのApple製コンピュータ以外へのインストールは禁止されているが、その話を別にしても以下の理由からPCへのインストールは不可という意見である。

・すべてのMacにはMac OS Xがプリインストールされている。
・従ってパッケージ版のMac OS Xはすべてアップグレード版である。
・ゆえに新規インストールできるMac OS Xはライセンス上存在しない。

PCへのインストールの是非はさておき、個人的には「パッケージ版のMac OS Xはすべてアップグレード版である」という意見には同意しかねる。Mac OS Xには「真のアップグレード版」が存在する。例えば無償配布された「10.1アップグレードキット」やUp-To-Dateプログラムで実費のみで送付されるCD/DVDである。これらは基本的に前バージョンがインストールされていないと導入できないため、アップグレードライセンスであることは明白である。

しかし、パッケージ版のMac OS Xはインストール時の制限もなく、使用許諾契約書にもそのような記載はない。また、新規インストールできるMac OS Xが無いならば、「サーバーモデルのMac mini(Mac OS X Serverプリインストール)を購入したが、サーバー用途には力不足だったのでMac OS Xを再インストールしてクライアント用途に使う」こともできないことになってしまう。

使用許諾契約書を読むかぎり、私はパッケージ版のLeopardやMac Box Setは新規ライセンスと解釈できると考えている。ゆえに以下の条件を満たす場合、Mac OS XをゲストOSとして動作させることは許可されると考える。

・Apple製ハードウェア上で、ホストOSがMac OS X以外(Mac OS X Server/Windows/Linuxなど)の場合、ゲストOSとしてMac OS Xを1つだけ動かすことができる。ゲストOSのバージョンは問わない。元々MacにプリインストールされていたMac OS Xのアップグレードであっても可。

・Apple製ハードウェア上で、ホストOSがMac OS Xの場合、ゲストOSとしてバージョンの異なるMac OS Xを1つだけ動かすことができる。ただし、ゲストOSはアップグレード版ではなく、パッケージ版(Snow Leopardの場合はMac Box Set)が必要。

このように、かなり限られた条件でのみ、動作が許可されることになる。これらの条件を仮想化ソフト側でチェックすることは困難なので、VMwareやParallelsのような商用製品でMac OS Xゲストがサポートされる可能性は低いだろう。Appleと争っても得なことはないので無難な実装になるのは仕方ないと思う。

これに関連して、少々気になっていることがある。VirtualBoxの開発途上のソースコードにMac OS Xゲストをサポートすると思われるコードが入っている。現在のところパッケージ版のMac OS Xをそのままインストールすることはできず、いわゆるOSx86のインストールについて公式フォーラムで議論されているという、個人的に好ましくない状況となっている(私自身のOSx86に対する意見は過去記事を参照して頂きたい)。

Mac OS XゲストがVirtualBoxの将来のバージョンで、どのような扱いとなるのか現時点では不明だが、内容次第では私は日本語ローカライズの作業から手を引くことになるかもしれない。そのようなことにならないことを願う。

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