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2008年5月26日 (月)

OSx86について

これまで私はblogやサイトでOSx86プロジェクトに関する言及をあえて避けていましたが、builder by ZDNet Japanの「Mac OS Xを普通のPCで動かす」という記事についてどう思うか、というメールを頂きましたので、私の考えを書いておきたいと思います。私は法律家ではありませんから、以下の内容はあくまでも私個人の意見にすぎませんし、この意見が完全に正しいと主張するものでもありません。

1. Appleの使用許諾契約について
まず、「Mac OS XはApple商標を付したコンピュータにのみインストールできる」という使用許諾契約の内容については、4年前に「AppleのライセンスとMacエミュレータについて」に書いた意見から変わっていません。Appleから明確な見解が出ておらず、判例もないため判断については「保留」という立場をとっています。

2. OSx86について
私の解釈では、Mac OS Xを正規に入手し、自分で改造してPC(Apple商標を付したコンピュータ以外のハードウェア)にインストールする行為自体は違法ではないと考えます。
(繰り返しますがライセンスについての判断は保留という前提です)

しかし、その「改造したMac OS XのインストールDVDイメージファイル」をインターネットにアップロードする行為が「著作権法違反」であることは明らかです。「ダウンロードだけなら(現行法では)罪に問われない」とする主張も聞きますが、P2Pネットワークでの共有がダウンロードと同時にアップロードも行っているため、違法行為だと言われても反論できないでしょう。

「お金出して新バージョンのMac OS Xを買うのがもったいないからインターネットからダウンロードしてMacにインストールした」などとblogに書く人は普通いません。法律がどうこう言う以前の話として「悪いことだ」という認識があるためだと思います。しかし、「改造されたMac OS XのイメージをダウンロードしてPCにインストールした」などと書かれたblogは複数見かけたことがあります。改造の有無に関わらず、Mac OS XはAppleの著作物であり、P2Pネットワークで共有するのは違法行為だと思いますが、どういうわけか改造版だとそういう認識が薄いように思います。

私は原著作者でもないですし、正義漢ぶるつもりもないのでアングラな世界で何があろうと知ったことではなく、関わりたくもないですが、私の本業はプログラマーですし、著作権を軽視/無視するような行為が堂々とまかり通るような世界になるのは困ります。そういうのはどこか裏の世界で勝手にやって、表には出てくるな、と言いたいです。

3. builder by ZDNet Japanの記事について
「ZDNet Japanも落ちたもんだな」というのが率直な感想です。前編の導入部で「著作権法に違反していることは間違いない」と自ら言っておきながら、「こういうことができるけど、やったらダメよ」というのは通用しないでしょう。もともとアンダーグラウンドなネタを掲載しているサイト/雑誌ならまだしも、「エンタープライズコンピューティングの情報リソースセンター」を自称するサイトにふさわしい記事とは思えません。今後、ZDNet Japanが著作権の遵守に関する記事を掲載したとしても、説得力に欠けてしまうと思います。
私もライターの端くれですが、いくら読者の興味を引くことができるからといっても、やはり「超えてはいけない一線」というのがあるのではないか、そう思います。

以上のようなことから、私のblogやサイトでは今後もOSx86プロジェクトについて言及するつもりはありませんので、ご了承願います。

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